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水墨画で一番物入りなものがやはり筆です。
このページでは筆の選び方やお勧めの筆をご紹介いたします。
やはり水墨画をするなら大・中・小それぞれの大きさの筆が欲しいです。
大きさの目安ですが、書道の時に大小2本の筆を使っていたと思いますが。
大は、書道の時に使っていた大きな法の筆
中は、書道の時に使っていた小さい筆の方
小は、もっと細かい筆です。
※大きさの参考までに写真を参照ください。
さらにいうと、それぞれ2本以上あると実際に水墨画を描くときに便利です。
ある程度慣れてる方なら、写真でいう大筆でいろんな線を描くことができます。
しかし、初心者が楽しもうと思うと、最初からそのような技術がないことはあたりまえです。
ですから、様々な筆のサイズがあるととても便利というわけです。
例えば、描く絵のサイズ(おおきな紙に描くか?絵はがき程度の紙に描くか?など)によっても変わってくるのはなんとなくイメージできるのではないでしょうか。
それこそ、絵はがきなどに挿絵を入れたい方などであれば、中筆・小筆を重宝することになるかと思います。
※細い筆は、細い線が描けるので便利ですが、水をほとんど含まないので、細い筆を使うのは本当に微々たる部分で基本的には中筆をもっとも使うことになります。
「中くらいの筆を2本、小(細)い筆も2本あるとよいですよ」
というと、
「上記のように描く線の太さで筆を変えるのはわかるが、なんでそんなに筆がいるんだ!」
という声が聞こえてきそうですが「あると便利です(笑)」
詳しくお伝えしますと水墨画は墨の濃淡を使い分けて明暗や色合いを表現します。
その時に
A.めっちゃ濃い墨 = a. の筆を使う
B.まぁまぁ濃い墨 = b. の筆を使う
C.薄い墨 = c. の筆を使う
というように使い分けるために筆が必要になります。
墨の濃淡はとても微妙です。
絵の具で赤の色がついたまま緑の絵の具をつけると色が混ざってしまうように、上記で例えると b の筆で Cの墨をとってしまうと、bの筆の色合いも変わりますし、Cの墨の濃淡も変わってしまいます。
絵を描いていると色をそろえたい部分が往々にして出てきます。
※もちろん慣れてきたら、そんなことも気にせず描けますが、色をちゃんと使い分けたい、もう一度同じ色を使いたいというときには、便利ですよ!
例えば、筆bで墨Cを使うと
●筆bの調墨が崩れ、うすくなり
●墨Cの墨が濃くなり、筆cで同じ薄さを表現できなくなる。
ということです。
同じ色の部分お一度に描き切ってしまえばよいですが、これは頭を使ってもなかなか簡単ではありません。
ですので、しっかりと調墨した墨と筆をうまく使い分け、理想的な(自分のイメージした)色を表現することを考えると筆は数本持っておくと便利ということです。
水墨画では筆の「硬さ」が一つ大切な選択基準になります。
個人的な推奨になってはしまいますが、「こしのある筆」がお勧めです♪
こしがあるふでは、戻りが良いです。
描いた時に筆の毛は曲がります。これはイメージがつくかと思います。これが曲がりっぱなしだと、初心者の方の思うように筆を運べないことがあるので、戻りの良い筆がお勧めです。
※大前提としてご自身の使いやすい筆を探すに越したことはないですし、さらに踏み込むと筆を活かした描き方が理想かもしれませんが、ここでは初心者向けゆえにざっくりと案内を差し上げております。
やわらかい筆
▼
毛が柔いため、指を離しても曲がったまま
かための筆
▼
固めの筆だとしっかりと戻る
上記の写真で見てのとおり戻りが弱いと描きにくいですので、戻りがよいものを選ぶとよいです。
また以下でも説明しますが、店舗で購入される際は、「水墨画向きのこしのある筆」を店員さんに聞いていただくと適切なものを選んでくれるでしょう。
(これが一番ラクで確度が高いとおもってます。)
自分で選ぶのが嫌な方は、ナイロン製のものもしくは以下でも紹介説明している「呉竹」というメーカーの筆やそれ以上の価格帯のもの
毛の種類としては
・狸(たぬき)
・鼬(いたち)
・馬
・鹿
の毛を使ったものを選ぶとよいでしょう。
※上記の動物の毛は比較的固めと言われているので、案内しておりますが、それらを使っているから必ず固いわけではないですし、逆にごわごわした筆もあったりしますので、この後、使ってみて比較的描きやすそうだった筆をご紹介しますね。
ネットで買うと筆の大きさや質感のイメージがつかないと思いますので、ここでは商品名も併せて紹介していきますね。
良い筆はやはり動物の毛を使っているものが多いのですが、安く簡単に始めたい方に意外とお勧めなのがナイロン筆です。
安い動物毛の筆をお勧めしない理由は、「ちゃんとした筆≒動物の毛を使った筆」 というのが私の中でありますが、それでも安物はあまりお勧めできません。
というのも、毛が荒かったり、よく抜けたりします。
(しかも同じ商品でも良くも悪くも個体差が出やすいです。)
ちなみによく毛が抜ける場合、抜けるだけではなく、
写真のように筆から数本飛び出てしまい、これが頻繁に発生するとやはり気持ちよく描けないですよね。(笑)
半面タイトルにありますようにナイロン筆は使ってみるとこれが意外にも結構優秀です。
というか初心者にはなかなかお勧めの筆です。
私が試したのはこのアマゾンで買えるナイロンの筆です。
毛は比較的抜けないですし、ナイロンですので個体差はほとんどありません。
動物の毛ではないのでメンテナンスも比較的楽です。
(しかも中と小のよく使う筆のセットなので便利)
お試しで始めたい人は最初から高くて好い筆は億劫かもしれませんので、筆を数百円で納めたい方には、かなりおすすめです。
(リンクは以下でご紹介しますね。)
やわらかすぎる筆はもちろんお勧めしませんが、あとは実際に使ってみて自分の書きやすモノを使うとよいでしょう。
【ナイロン筆のデメリット】
とはいえ私は日常的にナイロン筆は使っていません。
大きく理由は2つで
①同じサイズの筆と比べて水分の含みが悪い
感覚的な説明になってしまいますが、水分をあまり含まないので、これも善しあしですが、すぐにかすれたり長い線を描くのにはあまり向かないという点です。
②線がシンプル
さらに感覚的になってしまいますが(笑) 線が均一で淡白ですので、描きあがりがシンプルすぎる感じです。
また動物の毛と違って線が膨らまないのでこれも私が使わない理由です。
こちらも基本的には同じです。
筆の硬いものを選べばOKです。
ですが安価すぎる筆は基本的にお勧めできません。
理由は前述のように「毛がよく抜ける可能性が高い」ためです。
ですので、結局安くて何本も買うより、ちゃんとした筆を大事に使ってもらう方がコスパも最終的によいです。
※というとお勧めした筆なら毛が抜けないと思う方もいるかもしれませんが、ちゃんとした筆も少し抜けることがあります。
(要は頻度の問題です)
実際の店舗にも実は「呉竹」の筆が多いです。
小規模な文房具屋さんなどにも基本的に「呉竹」のものが置いてあると思いますので、比較的安心でしょう。
前述のとおり「水墨画向きのこしのある筆」を店員さんに聞いていただくと適切なものを選んでくれるでしょう。
自分で選ぶのが嫌な方や、店員さんがよくわかっていなときは材質を見て比較的硬い毛のものを選ぶといいです。
呉竹の公式でも毛についてはよくまとめてらっしゃるのでこちらも是非参考にしてみてください。
https://www.kuretake.co.jp/product/calligraphy/brush
※馬の毛などでも取る場所によって硬さが違いますので、そこら辺についても細かく記載してありますので、店頭の筆に毛の部位なども載っているときに筆の質がどんなものかわからないときに便利なサイトです。
と、詳しい話をしましたが、少なくとも画材屋さんなどの専門店でしたら使っている動物の毛の種類や筆の硬さを載せて売っているとは思います。
しかしながら、たいていの文房具屋さんには動物の名前以上の具体的な名前が載っていることは少ないです。
(私も画材屋さん以外であまり見かけません)
ですが、「筆の硬さ」くらいは商品棚の商品名と一緒に記載されているがありますので、硬さが書いてあれば比較的硬めのものを選ぶとよいでしょう。
また、普通の「文房具店」には書道用の筆が主であまり筆の種類は多く置いておりません。
ですので、画材屋さんなどの少し専門性の高いお店ですと筆の種類も多く店頭の方がやさしく教えてくれますのでお勧めです。
※マップなどで「画材屋」と検索すると以外と近所にあるかもしれませんよ。
わたしを含め多くの水墨画の絵師さんが使っている筆はこのタイプの筆です。
私はこの筆は、運よく近くに画材専門店があったのでそちらで購入しています。
ネットショップで近しいものも見つけましたが、同じものかが確証がないですので、紹介できず申し訳ありません。
(購入することがあればちゃんとリンクを載せて紹介いたしますね。)