墨液の選び方

今回は、墨についてお話します。

そして、これから始めるという方にはやはり固形のものよりもあらかじめ液体となっている墨汁をお勧めします。

初めての方は墨液で十分な理由

墨を磨ることも一つ醍醐味ではありますが、入門のハードルを下げるうえでこのようにお伝えしております。

※墨(固形を使いたい!)という方は使っていただいてもOKです。
(ただこの記事では、触れませんのでそういう方は読み飛ばしてください)
※また別の機会に固形の墨には触れようかと思いますのでお楽しみに♪

あと店頭でネットで買うにしても墨汁の方が見つけやすく、保存もしやすいです。

あまり価格を気にしない理由

もちろん質の良い墨汁はあります。

しかしながら、はじめのうちはもしあればあるものを、無くてもお店やネットで売っている安いもの、でとりあえず試しても問題ありません。

安い筆は、筆が割れたり、毛が抜けたりしてしまい描写をとても邪魔しますが、

墨は「描く」という点でそこまで価格帯は気にしなくてもかまいません。

価格より「用途」に注目

実は墨汁により濃さも変わる

墨汁により濃さも異なります。

ですが原液で使った場合の(書道での)話になりますので、これから始める方はあまり気にしなくてOKです。

(どうせ、水で薄めますので ご安心を(笑))

ただ、書道の清書用のもの比較的お勧めできないものもあります。

というのも比較的滲(にじ)みにくい墨汁になりますので、水墨画らしい作品には向かないためです。

※滲(にじ)みは作画テーマや演出として必要になります。

余談)青墨と茶墨がある

「墨は黒でしょ?」と思われる方は多いと思います。

私自身この話を聞くまで墨に色の種類の違いがあるなんて知りませんでした。

タイトルですでにネタバレとなっておりますが、実は墨には「青墨」と「茶墨」があります。

書道などですと薄めることはほとんどないですので、気になりません。

しかし水墨画は水と合わせて濃さを調墨します。

ですので、作品の仕上がりや雰囲気にかかわってきますので、色に違いがあることは知っておいて損はないでしょう。

特に固形墨ですと、はっきりと青墨、茶墨と分かれることが多いですが、私の知る限りほとんどの墨汁が「黒」ですので、いまはそこまで気にしないでいただいてOKです。

余談の続き)青墨と茶墨の違い

青墨

松の樹脂を燃やしたすすが原料
松煙墨 とも呼ばれます。
特徴:青みのあるさわやかな色合い

茶墨

菜種油、ごま油、桐油、大豆油などを燃やしたススが原料
油煙墨ともよばれる

※実は墨汁にはあと、鉱物油、カーボンブラックなどを使った純黒の墨もあります。市販の墨汁などはこの青墨でも茶墨でもないものも多くあります。

お勧めの墨汁・墨液

コスパの良さもそうですが、墨の匂いも香る使いやすい墨です。
手ぶら参加の教室でも使用しています。
(※こちらは普通の黒で、青墨でも茶墨でもありません。)

余談

ちなみに筆で紹介した呉竹さんは書道メーカーさんなのですが、呉竹さんのホームページの商品詳細には用途は書かれていますが、材料は樹脂とだけ書かれていませんでした。

私は、「青墨なのか?茶墨なのか?それともカーボンブラックなのか?」わからなかったので、呉竹さんに直接聞いてみたところ、

なんと丁寧にちゃんとご回答いただきました。

(この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。)

呉竹さんの回答は、

「そのいずれでもない煤で作った黒(先述のカーボンブラック)」とのことです。

ですので、あくまで私個人の見解となってしまい恐縮ですが、今回ご紹介しました墨しかり墨液の多くは、呉竹さんの商品が多いかと思われますので、お店で普通に買えばカーボンブラック系の墨である可能性が高いです。

以上今回は墨汁・墨液についてでございました。

お役に立てば幸いです。

さらなる質問などあればお気軽にフォームからご連絡くださいませ。