水墨画らしいグラデーション~三墨法について~
これができると幅広がる「三墨法」
初めての水墨画や水墨画関連の本や動画を見たことがある人は必ず見たことがあるスキルそれが「三墨法」ではないでしょうか。
とはいえ、このサイトは、
・初心者の方のために初心者でもわかりやすいサイト作り
を目指しておりますので、「三墨法」の”さ”の字もわからない方もご安心ください。
是非気ままに読み進めてください。
グラデーションを表現→「三墨法」がありますよ。
そもそも「三墨法」ができると何かいいことがあるのでしょうか。
もちろんあります。
それが「グラデーション」です。
(詳しくお伝えするとグラデーションという表現は不適切ではありますが、わかりやすくお伝えするためにグラデーションと伝えしております。)
また、この技法ができると白と黒だけの水墨画の世界であるにもかかわらず、いろんな表現ができるようになるので、まず知ってて損のない技術です!
そもそも三墨法って?
三墨法について簡単に説明しますと
筆に
– 濃い墨
– 中くらいの濃さの墨
– 淡い墨
を含ませ一つの筆で3つの墨の色を表現する技法のことです。
(もちろん2色にしたり配色を変えることで表現に工夫を加えることもできます。
※なので、慣れるととっても便利♪)
三墨法でできること
そもそも三墨法とは何かというと
一つの筆で、3つの色を同時に演出することを言います。
(もちろん墨の調整(調墨)次第ですが)
例えば、このような感じです。
●三墨法を使わず線で描く●
●三墨法でグラデーションを使って表現●
上記の画像の右側のように輪郭線ではなく、筆の平面だけで表現ができるよになったりします。
※画像はあくまで例ですが、ほかにもいろいろと本当に応用が利く技術です。
いざ三墨法を試してみましょう(三墨法の実践方法)
準備するもの
通常の様に道具を準備します。
道具の一覧はこちらから確認(墨液バージョン)
これに合わせて今回絶対使うことになるものが
特に今回使うものは、
・きれいな水 (水差しなどに入れる)
・濃い墨(濃墨) (原液でもOK)
・淡い墨(淡墨) (これはこの後作ります。)
・そして調墨用の皿です。 (上記の墨とは別で必要になります。)
三墨法の方法
STEP1 淡い墨(淡墨)を作る
まずは、淡い墨(淡墨)を作ります。
更に水を皿の半分前後いれ(気持ち多めでOK)ます。
穂先に濃い墨(濃墨)を取って混ぜます。
これで淡い墨(淡墨)はできああがりです。
不要な布や紙で試し書きして、自分の好きな感じに微調整しましょう。
これで
いま机の上には
・濃い墨(濃墨)の皿
・淡い墨(淡墨)の皿
・何もない皿
がある状態ですね。
STEP2 筆にきれいな水をつける
淡い墨(淡墨)ができましたので、ここから描く為の筆での墨の調整になります。
まずは筆にきれいな水を取ります。
ここでは筆の毛をすべてつからせてOKです。
水差しのふちで簡単に水を落とし、それでも水分を多く含んでいますので、いらない布か紙で水分を吸収させましょう。
(この時、毛の毛先ではなく腹の部分がわから水をとるといい感じに水を吸収してくれます。)
まずは筆全体に水がいきわたりました。
※ちなみにSTEP 2 は割愛してSTEP3からやってもらっても大丈夫です。
STEP3 淡い墨(淡墨)をとる
今度は淡い墨(淡墨)をつけていきます。
こんどは筆の毛の半分~5分の2程度を付けます。
つけたらまた、水気をいらない布か紙で水分を吸収させましょう。
※POINT※
この際も、水を吸収する際は、腹の部分側わから水をとると筆の中で墨が混じりすぎず、きれいに水分を取ってくれます。)
※写真は少しつけすぎ感があるので写真よりも筆をつけすぎないくらいが目安※
STEP4 濃い墨(濃墨)を取る
最後に濃い墨(濃墨)を筆にとります。
つけすぎると全部真っ黒に上書きされてしまいますので、
筆にもよりますが穂先の4~5分の1くらい少しとるくらいで大丈夫です。
STEP 5 使っていない調墨用の皿で調整(調墨)しよう
STEP2~3の流れで墨を作ったら、まだ使って無い皿(調墨用の皿)で筆をなじませます。
写真のように穂を皿につけ左右に回転させてなじませます。
写真のようにジグザクを描くような感じです。
お待たせしました。
これで三墨法で描く準備(調墨)は完了です。
STEP 6 描いてみよう
三墨法のグラデーションがわかりやすいように、筆の側面を使って描いてみましょう。(側筆)
写真のように筆を倒して横に描いてみましょう。
いい感じに 濃 ~ 淡 のグラデーションができてれば成功です。
どうでしょうか?
うまくできましたか?
この三墨法の方法は一度覚えると様々な表現ができて、また応用もいろいろと聞くのでとても便利です。
是非お試しください。
三墨法がうまくできない人へ
冒頭でもお伝えしましたが、水墨画関連の教材には必ずこの「三墨法」が載っています。
なるほど確かに便利ですが、初心者には難しい場合もあります。
(このサイトでもできるだけわかりやすく記載しているつもりですが、)
「三墨法」はもちろんできるととてもいいですが
「三墨法ができない」=「水墨画描けない」
(このスキルに限った話ではありませんが、)
というわけではありません。
それでなくても水墨画を描くこと自体は楽しいですし、それが水墨画のすべてではありません。
ちなみに以下のコラム
では、ほぼ三墨法に触れていません。
三墨法がなくてもできる表現になります。
これらをできるようになって描いてみるだけでも水墨画は楽しめます。
最初に練習してうまくできなかった方はもちろん三墨法の練習もしてほしいですが、
まずは上の3つのリンクの練習しかりいろいろとできるやり方で描いてみて、
楽しく描いてそれでさらに表現の幅を広げたくなったら描くという形でも良いですので、無理せずできるところから楽しんでみてくださいね。
以上今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この記事に関する質問やリクエストそのほか何かあればお気軽にお問い合わせください。