水墨画でコントラストを~墨汁で調墨~
水墨画の醍醐味の一つは、墨の濃淡で明暗や色合いを表現するところにあります。
そのためには、調墨は必須です。
初心者のために今回は調墨の説明と書き始めるための最低限の知識をお伝えします。
調墨とは?
墨と水を合わせることで、ただの白黒の絵ではなく、白、グレー(濃淡)、黒 の色を操り、陰影などを表現することができます。
私の場合で恐縮ですが、墨汁を原液のまま使うことはあまりありません。
例えば
少し薄めたもの:濃い黒(濃いグレー)
薄めたもの:グレー
かなり薄めたもの:薄いグレー
の墨をつくり、使い分けて絵を描きます。
濃淡を使い分ける
例えば濃い線は
・作品の顔やかたどる輪郭線など
グレーは、
・作品の色の薄い部分や、影など
かなり薄めたもの
・影、雲、霧などの背景など
とするだけでも奥行きのある作品を描くことができます。
前に表現したものは先に描く!
よくいただく質問として
「薄い色と濃い色どちらを先に描けばいいですか?」
という質問です。
ぼかしの表現などでケースバイケースのこともありますが、
基本的には
濃い色を先に薄い色を後に
を意識します。
というのも水墨画の特性として(当サイトに限らずいろんなサイトでも言われていますが)
先に描いたものが上(表面側)にみえ、後から重ねてかくと下(背面側)にみえるという特徴があります。
なので、先ほどのリンゴの場合は、
まずは
①濃い線で輪郭線を描く
↓
②次はグレーを描く
↓
③一番薄い色を描くとよいです。
※気を付けないといけないのが水分量です。
濃い線が先ですが、あまり乾かぬうちに水分が多いラインを描くと意図せず滲んでしまうこともあるので、調整が必要です。
ということで、今回は濃淡についてでした。
わからないことや質問があれば、お気軽にお問い合わせください。